2011年8月16日火曜日

第6回:鬼来迎(横芝光町)

2011年8月16日

第6回目は横芝光町の『鬼来迎』へ行ってきました。

 

 

今回は午前中にWGがあったので、
石田会長や専門委員の皆さんと行ってきました!

案内をしてくださったのは、
地域委員の佐久間委員と

 

専門委員の橘川委員です。

 



鬼来迎とは、地獄の様子と
菩薩の救いを仮面狂言にした日本唯一の古典的地獄劇で、
国の重要無形民俗文化財の第1回の指定を受けています。

日本唯一、すごい!!

虫生地区というわずか25戸の集落によって現存し、
口伝えで受け継がれており、
演者はもちろん、舞台の設定から衣装まで、
すべてが地元の方によってつくられています。

平成3年には東京国立劇場でも公演され、
毎年、数百人の見学者が訪れるそうです。

そして、なんと鬼来迎は鎌倉時代初期に始まったといわれています。

鎌倉時代初期って今から800年前くらいですよね…?

「1192(いいくに)つくろう鎌倉幕府」の時代から続いている…??

こんな伝統ある鬼来迎を今回はレポートします!!




鬼来迎が行われるのは広済寺。

 

田んぼと竹林に囲まれた静かな場所にあります。

毎年8月16日と日にちは決まっているんですが、
開始時間はおおむね15時となっており、決まっていません。

鬼来迎の前に行われる『施餓鬼会』という盆行事により
その年によって時間に多少のズレがあるようです。



私たちが会場に着いたのは14時半過ぎ。

まず、こんなにたくさんの方が見学に来ていることにびっくりです。

 

 

今年の観客数は約500人!!

早い方だと6時半頃から場所取りに来られているそうです。

申し訳ないですが、こんなにいるとは思っていませんでした…。

もうこの時点で期待大☆☆☆




今年は15時半にスタート。

まずは鬼来迎保存会の深田会長からご挨拶と内容の説明がありました。

 


そして、舞台のお清めのため、塩がまかれます。

 



鬼来迎の内容はいうと、
仏教の教えである因果応報・勧善懲悪を説いたものになっています。

おおまかに説明します!



■第1段−大序

地獄の裁きどころ。

閻魔大王と倶生神が椅子に座り、鬼婆と赤鬼、黒鬼が登場します。


ちなみに倶生神とは、常に人の両肩にいて、
左肩の男の神様が善行を、右肩の女の神様は悪行を記録し、
その人の死後に閻魔大王へ報告するという役目があるとされています。


そこへ亡者が現れ、裁きを受けます。

 

大悪人と判が下ると、鬼が亡者を連れ去り、終了です。



■第2段−賽の河原

子供の亡者たちが石を積んでいるところへ鬼が現れ捕えようとします。

そこを地蔵菩薩が救うという場面です。

 


ここではたくさんのおひねりが投げ込まれていました。

 



■第3段−釜入れ

地獄の釜ゆで場。

鬼婆と鬼たちが亡者を釜に入れ茹でています。

 

鬼たちが「亡者の首を切って食べよう」と言って亡者を連れ去ります。



■第4段−死出の山

亡者が鬼婆や鬼たちからいろいろな責め苦を受けています。

そこへ観音菩薩が現れ、亡者を助けます。



鬼たちは悔しがり、

亡者の卒塔婆を抜き取り、怒号を発して終わります。



今はこの4段のみ上演されていますが、元々は7段あったそうです。



また、劇中では赤ちゃんのかんの虫封じがあるんですが、

これがまたみんなかわいいんです♡♡♡

 

1歳未満の赤ちゃんを鬼婆が泣かすんです。

これによって、かんの虫を脅かして無病息災を願うんですが、
みんな、ほんと元気よく泣いていましたよ。

まだ小さな赤ちゃんは
自分に何が起きているのかわからないみたいで、キョトンとしていました。

 

それもまたかわいいんです♥

観客は大・大・大盛り上がりでした。

ただ、大変だったのは鬼婆だと思います。

赤ちゃんを抱いて脅かせて…と31人の繰り返しでしたから(汗

ほんとお疲れさまです^^;




 

最後に石田会長・齊藤横芝光町長とスリーショット☆

ありがとうございます!



私は隣の市に住んでいるんですが、
横芝光町にこんな素晴らしいものがあるなんて今まで全く知りませんでした。

今回初めて観させていただきましたが、
演技に関しては素人の方々が演じているとは
思えないほどの迫力で、あっという間の1時間でした!!

約800年もの間、
この集落だけで伝承してきたのは本当にすごいと思います。

是非みなさんも来年はご自分の目で観て、
日本唯一のこの素晴らしさを共感していただきたいです。

あっ!

会場には日陰がないので、行かれる方は暑さ対策を忘れずに!

あと保存会で冊子をつくって販売しているそうなので、
興味のある方は是非!!



ということで、第6回おしまい。

次回は『茨城空港』に行ってき☆まっすー♪



 
閻魔大王の登場で劇がスタート

 
子供たちが石を積んで遊んでいるところ

 
田んぼ道が車でいっぱい